コマツとEARTHBRAINは、自律運転技術を開発する米国AIM Intelligent Machines(AIM)と、日本と米国市場を対象とした戦略的パートナーシップを締結した。3社は建設現場における自律施工ソリューションの実用化を共同で進め、施工計画から自律施工、施工管理までを一つのデジタルワークフローでつなぐ仕組みの構築を目指す。現在は米国市場で商用展開を開始し、コマツ製ブルドーザーと油圧ショベルによる自律運転が実際の建設現場で稼働中。日本市場については2027年以降の展開を予定している。
建設業界では、インフラ需要の拡大に加え、深刻な人手不足や生産性向上、安全性確保が大きな課題となっている。コマツは建設機械メーカーとしてICT建機やデジタル技術を展開し、EARTHBRAINは施工管理デジタルソリューション「Smart Construction」を提供している。一方のAIMはフィジカルAIを活用した自律運転技術を強みとし、ブルドーザーや油圧ショベルによる世界初の商用自律運転フリートを実現している。

3社はこれまで技術検証と事業開発を共同で進めており、今回の提携により実用化をさらに加速させる。今回提供する自律施工ソリューションではSmart Constructionで作成した施工計画や完成地形データをAIMのフィジカルAIプラットフォームと連携する。施工データを受け取ったブルドーザーや油圧ショベルは施工目標を理解したうえで施工方法や走行ルートを自ら判断し、自律的に施工を実施する。施工計画の作成から施工状況の可視化、施工実績データの蓄積・活用までを一つのデジタルワークフローで管理できるため、施工プロセス全体の自動化と最適化を実現する。
AIMの自律運転システムは、新車だけでなく既存のブルドーザーや油圧ショベルへの後付け(レトロフィット)にも対応する。建設会社は保有する建設機械を活用しながら段階的に自律施工を導入でき、新たな設備投資を抑えつつ現場のDXを進められる点も特徴となる。
今後3社は、それぞれの技術やノウハウを融合しながらSmart ConstructionとAIMのプラットフォーム連携をさらに高度化し、施工管理から自律施工までをシームレスにつなぐソリューションの開発を進める方針だ。
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BIMedia目線ーー今回の提携は、建設機械の自動運転ではなく、施工プロセス全体の自律化を目指す点が大きなポイントだ。施工計画データ、3次元設計データ、施工実績を一つのデジタル基盤で連携させることで、デジタルツイン上で計画・施工・出来形管理を一貫して管理する環境が現実味を帯びてきた。既存建機へのレトロフィットに対応したことで、自律施工を新型機だけの技術に留めず、既存現場へ段階的に展開できる可能性が広がった。国土交通省がi-Construction2.0の実現に向けてフィジカルAIの対応強化を打ち出したこともあり、2027年以降の展開を見据えている。