イタリアでジオスペーシャルソリューション事業を展開するTake Overグループが、日本市場への本格参入に向け、日本法人「Take over Geospatial株式会社」(東京都江東区)を設立した。橋梁や道路、鉄道、歴史的建造物などを対象とした3Dレーザースキャニングやモバイルマッピング、ドローン測量などの技術を提供し、インフラ維持管理や建設DX分野で事業拡大を目指す。

Take Overグループはイタリア・アブルッツォ州を拠点にレーザースキャナー、GNSS、フォトグラメトリなど複数の測量技術を組み合わせた空間情報サービスを展開してきた。橋梁や産業施設、文化財など幅広い分野で実績を持ち、高精度な3次元データを活用した維持管理や設計支援を強みとしている。
特徴は、用途に応じて最適な計測技術を組み合わせる「Integrated Survey(統合測量)」という考え方だ。単一の機材に依存せず、レーザースキャナーやモバイルマッピング、ドローン、GNSSなどを組み合わせることで、現場ごとに最適な空間情報を取得する。
創業者のFranz Lami氏は、建築分野で3Dモデリングを学んだ後、建築・インフラ分野のデジタル計測技術を研究。2017年にイタリアで発生した高速道路橋の崩落事故や2018年のモランディ橋崩落事故を契機に、インフラ点検の高度化に取り組み、橋梁を中心とした空間情報サービスを発展させてきた。

日本進出について同氏は「日本は建設技術とインフラ維持管理において世界有数の知見を持つ国であり、イタリアで培った経験と日本の高い技術力を組み合わせることで、新たな価値を創出できると考えている」とし、日本を単なる新市場ではなく、長期的なパートナーシップを築く拠点と位置付ける。
日本法人のTake over Geospatialでは、橋梁や道路、鉄道をはじめ、歴史的建造物や公共施設などを対象に、3Dレーザースキャニングやモバイルマッピング、UAV(ドローン)測量、点群処理、BIM・GISデータ作成などのサービスを提供する。取得した空間情報を維持管理や更新計画、デジタルツイン構築などへ活用し、社会インフラのDXを支援する考えだ。
日本法人代表の近永朋香氏は、「一つひとつのプロジェクトを通じて信頼を積み重ね、日本の企業やパートナーとともに価値を創造していきたい」としている。インフラ老朽化対策やBIM/CIMの普及が進む国内市場では、高精度な3次元データの活用ニーズが拡大している。海外で培われた計測技術と日本の維持管理技術の融合が、新たなインフラDXの選択肢として存在感を示しそうだ。
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