住吉工業

AIが熟練オペレーターの「視線」を解析 
技能伝承システムで特許取得

 住吉工業(山口県下関市)は、建設機械オペレーターの視線情報をAIで解析し、技能レベルや技能特性を自動判定する「技能教示システム」を開発し、特許を取得した。熟練技能者が長年培ってきた経験や勘をデータとして可視化し、若手オペレーターへの技能伝承を効率化する技術として活用を進める。

 建設業では就業者の減少と高齢化が進み、熟練技能者の技術継承が大きな課題となっている。特に建設機械の操作は、熟練者の「カン」や「コツ」に依存する部分が多く、技能の習得には長期間を要するとされる。こうした暗黙知は言語化やマニュアル化が難しく、教育の効率化を阻む要因となっていた。

 技能教示システムは、オペレーターの視線移動を記録・解析することで、作業中に「どこを見て判断しているのか」をデータ化する。AIは熟練者の視線パターンを基に最適な視線位置を提示するとともに、熟練者との視線の違いを定量的に比較し、技能レベルを客観的に評価する仕組みだ。

 また、視線データからオペレーターごとの技能特性を分析し、現場に求められる能力との適性を判断できる点も特徴。施工条件に応じた人員配置や教育計画への活用も想定している。

 建設DXではICT建機や自動施工など施工の自動化が進む一方、人材育成分野へのAI活用はまだ限定的だ。今回の技術は、熟練技能者の暗黙知をデジタルデータとして蓄積・分析することで、技能伝承の高度化を目指す取り組みと位置付けられる。

 今後、建設業では熟練技能者の大量退職が見込まれる中、AIやセンシング技術を活用した教育・技能評価の重要性は一段と高まる。技能の「見える化」による客観的な育成手法は、建設機械オペレーターにとどまらず、さまざまな専門職への応用も期待されそうだ。

住吉工業のプレスリリースはこちら

記事トレンド把握のため、気軽に押して下さい

トップに戻る