応用技術は、オートデスクのBIMソフト「Revit」向けアドインツール「BooT.one(ブートワン)」の最新版Ver.3.4.0を公開した。最新アップデートでは、AIを活用したチャット型ヘルプ機能「BooT.one Helper」と、避雷針設計に用いる「回転球体法」の自動描画機能を新たに追加した。AIによる操作支援と専門設計業務の自動化を組み合わせることで、BIM設計業務のさらなる効率化を目指す。

BooT.oneは、Revitの操作性を高める500種類以上のコマンドを備えたアドインとして、多くの設計・施工現場で利用されているが、機能が増えるにつれて「目的のコマンドを探しにくい」という課題もあった。先行提供が始まったBooT.one Helperは、その課題をAIで解決する機能だ。
例えは専用チャット画面に「壁を一括で編集したい」「配管の処理を効率化したい」といった自然な言葉で質問すると、AIが最適なコマンドを提案する。回答には公式マニュアルの該当ページへのリンクが表示されるほか、チャット画面内からそのまま対象コマンドを実行することも可能だ。マニュアルを検索したり、メニューを探したりする手間を減らし、設計作業へスムーズに移行できる点が特徴となっている。

もう一つの新機能となる「回転球体法」の自動描画機能は、避雷設備設計を支援するものだ。建物の辺や頂点を指定するだけで、必要な避雷針の高さを自動計算し、回転球体法による保護範囲をBIMモデル上へ自動作図する。従来は計算と作図を手作業で行う必要があったが、自動化によって設計工数の削減だけでなく、計算ミスや作図漏れの防止にもつながるとしている。
AIは「設計する」のではなく「使い方を教える」段階へ
生成AIの建設分野への活用は、設計案の生成や図面作成支援が注目されがちだが、今回のアップデートは少し異なるアプローチとなる。AIが設計そのものを行うのではなく、ソフトウェアの膨大な機能を利用者に最適な形で案内する「AIナビゲーター」として機能する点が特徴となる。
BooT.oneは500を超える機能を備える一方、すべてを把握して使いこなすことは容易ではない。AIチャットを入口にすることで、利用頻度の低い機能も活用しやすくなり、ツール全体の価値を高める狙いがある。
同社はユーザーからの要望を集める「リクエストボード」を継続して運営しており、現場の声を反映しながら機能を拡充してきた。今回のAIチャット機能も、こうした現場ニーズを踏まえたアップデートの一つと位置付けられる。
生成AIの普及により、BIMソフトウェアでは「AIが設計を支援する」だけでなく、「AIがソフトウェアの使い方を支援する」という新たな活用スタイルも広がり始めている。最新BooT.oneは、その流れを象徴する事例といえそうだ。
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