Polyuse

建設用3Dプリンタ施工300件を突破 
量産機40台体制で全国展開加速

 Polyuse(東京都港区)の建設用3Dプリンタ技術による施工件数が累計300件を突破した。2022年に国内で初めて国土交通省管轄工事へ採用されて以来、公共工事を中心に導入が拡大しており、建設用3Dプリンタが実証段階から社会実装のフェーズへ移行しつつあることを示す成果となった。

 2019年の創業以来、同社は「人とテクノロジーの共存施工」を掲げ、人手不足やインフラ老朽化、災害復旧など建設業界が抱える社会課題の解決に向け、国産建設用3Dプリンタ技術の研究開発と実用化を進めてきた。

 2025年9月に販売を開始した量産機「Polyuse One」の設置台数は40台に到達し、2026年度内には全国100台体制の構築を目指しており、日本全国で建設用3Dプリンタを活用できるネットワーク整備を進める。

型枠を使わない施工で省人化を実現

 同社の建設用3Dプリンタは、3次元設計データをもとに専用モルタルを積層し、コンクリート構造物や型枠を造形する技術である。従来必要だった型枠製作や組立工程を省略できるため、省人化や工期短縮を実現し、生産性向上につながる技術として期待されている。

 これまで重力式擁壁や集水桝、階段、笠コンクリートなど幅広い構造物で施工実績を重ねており、工期に制約がある公共工事を中心に導入が進む。土木学会の調査(2024年12月時点)によると、国内公共工事における建設用3Dプリンタ施工では90%を超えるシェアを占めている。

「技術」から「施工ネットワーク」へ

 施工実績だけでなく、全国規模の施工ネットワーク構築にも力を入れている。同社では初回相談から3Dデータ作成、構造物の造形、品質確認、現場施工までを一貫して支援しており、図面やスケッチ、現場写真のみでも相談できる体制を整備。案件によっては最短1週間で納品した実績もあるという。

 さらに建設用3Dプリンタの基礎や導入方法、全国の施工事例を紹介するオンデマンドセミナーも配信。技術そのものを提供するだけでなく、導入ノウハウや運用支援まで含めたサービスを展開することで、利用の裾野拡大を図る。

建設3Dプリンタは普及期へ

 建設用3Dプリンタはこれまで実証実験や話題性が先行する側面もあったが、施工件数300件、量産機40台という数字は、技術が実際の建設現場で継続的に利用される段階へ移行していることを示している。建設業界では、2024年問題を契機とした労働力不足への対応や老朽インフラ更新の需要拡大を背景に省人化・自動化技術への期待が高まっている。同社は全国100台体制の構築を通じ、建設用3Dプリンタを「特殊技術」ではなく、現場で選択できる施工手法の一つとして定着させることを目指している。

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