Malme

JRC、矢作建設工業と相次ぎ資本業務提携 
AI活用のインフラDX後押し

 土木分野向けソリューションを展開するMalme(東京都新宿区)が、建設コンサルタントやゼネコンとの資本業務提携を相次いで進めている。JR東日本コンサルタンツ(JRC)との資本業務提携を発表したほか、矢作建設工業とも資本業務提携契約を締結しており、AIを活用したインフラDXの社会実装を加速させる構えだ。

JRC の齊藤誠代表取締役社長(左)とMalmeの高取佑代表取締役/CEO

 土木分野では、技術者不足や技術継承の停滞、インフラ老朽化への対応など構造的な課題が深刻化している。Malmeは建設分野に特化したAI技術やデータ基盤技術を強みに、設計・施工・維持管理業務の高度化を後押ししている。

 JRCとの提携では、鉄道・社会インフラ分野で培われた設計ノウハウとMalmeのもつAI技術を融合する。Malmeが提供する土木技術者向けデータ管理プラットフォームに、JRCが有する鉄道インフラ設計の知見をAIとして実装し、設計図書の作成や照査、管理業務の効率化を図る。図面や計算書における誤りや手戻りの防止、図面の自動分類による検索性向上、設計図書のデジタル管理などを実現し、設計者がより高度な技術検討や企画業務に集中できる環境づくりを目指す。

 設計・施工現場の豊富な知見と実績をもつ矢作建設工業とは、MalmeのAI・データ基盤技術、プロダクト開発力を組み合わせることで、建設DXの実装と新たな価値創出を進める。両社はこの取り組みを持続的な成長戦略の一環として位置付けている。

 近年、ゼネコンや建設コンサルタント各社では生成AIやデータプラットフォームを活用した業務改革が活発化している。しかし、多くの取り組みが個別業務の効率化にとどまる中、Malmeの動きは業界プレーヤーとの資本提携を通じて実業務へAIを組み込み、実装フェーズへ踏み込んでいる点が特徴だ。

 今後は、JRCでの実証を通じて技術の有効性を検証するとともに、その成果を土木設計会社や建設会社、自治体、鉄道事業者などへ展開する方針。矢作建設工業との連携も含め、設計から施工、維持管理までを対象とした建設DX基盤の構築を進める。

 建設業界では労働力不足への対応と生産性向上が喫緊の課題となる中、AI技術を核とした企業間連携が新たな競争軸となりつつある。Malmeによる一連の提携は、建設・インフラ分野におけるAI活用の実装競争が新たな段階に入ったことを示す動きとして注目される。

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