日特建設はQPS研究所(福岡市)と共同で、衛星SARデータを活用した法面変位監視に向けた共同実証をスタートした。テストフィールド内の盛土法面に設置したコーナーリフレクタを衛星画像上で確認し、衛星を活用した法面・斜面監視の可能性を検証中で、今後は広域に点在する法面・斜面の変状把握や点検業務の高度化・効率化への活用が期待できるとしている。

斜面のインフラマネジメントでは、広域に点在する斜面の状態を効率的かつ継続的に把握し、変状の兆候を早期に捉えることが必要になる。従来の現地点検を中心とした管理手法では人員面や時間面、安全面などの制約があり、限られたリソースの中で適切に状況を把握し、優先順位を付けて対応することが難しくなっている。
日特建設は解決手法の一つとして、衛星データの斜面管理への適用の検討を進めており、その一環としてQPS研究所との共同実験に着手した。小型SAR衛星の開発・製造・運用を行う宇宙事業を展開するQPS研究所は、天候や昼夜の影響を受けにくい観測技術を強みとしている。そこでSAR技術の斜面インフラ監視への活用に取り組んでおり、今回、日特建設の実験場「NITTOCテストフィールド」(茨城県坂東市)で監視精度の確認のための実証試験をスタートした。

実証試験では、一辺60センチの小型三面コーナーリフレクタを、盛土法面の法肩、法尻に分散して12台設置した。3月29日5時52分(日本時間)に商用稼働中のQPSーSAR14号機「ヤチホコ-Ⅰ」がテストフィールドの観測を実施し、得られたSAR画像においてコーナーリフレクタの位置、状況を確認することができたという。
日特建設では、この結果は高精細SAR画像が地すべりや法面崩落などの監視、リスク評価に適用可能な見込みを示しているとし、昼夜・天候を問わず、広域で法面・斜面の定点観測データの蓄積が可能であり、斜面インフラマネジメント技術の向上への貢献が期待できるとしている。
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