鴻池組は、AI技術を活用したトンネル地山評価システム「KtesAI」を開発した。ドリルジャンボの機械データをAIが解析して切羽前方の地山状況をリアルタイムで評価し、過去の施工実績と連動させ、現場担当者の情報化施工を支援する。国内現場検証で有効性を確認済み。若手技術者による適切な地山評価を補助するシステムとしての活用につなげる。

山岳トンネルでは、地中の線状構造物という特殊性から、事前地質調査によって得られる情報には限界がある。一般的に設計では標準支保パターンを用い、掘削時に地山変更点に切羽が到達した時点で切羽評価を実施した上で地山等級(支保パターン)を決定する。
これまでの地山評価では、掘削切羽の状態を点数化し、支保パターンごとの評価実績や計測結果と比較することにより地山評価を実施しているが、未掘削部の地山評価が行えなかった。具体的には、地質の変化が多い地山では地質の急変により地山評価時とその直後の地質が異なる場合があり、坑口や破砕帯で必要となる補助工法の必要区間長や範囲を事前に設定できなかった。
KtesAIは、トンネル前方地山探査結果による評価と計測データや切羽評価点の推移、既施工部分の支保実績等の施工時データをリアルタイムに整理・分析でき、支保の設計や対策工の必要性、最適な発破パターンを掘削に先立った検討も可能だ。切羽前方探査時の状況把握で地山の急変や突発湧水にも予測・対策工の準備ができ、適切な支保の施工によってトンネルの品質も向上する。
同社は2025年12月に本システムの開発を完了し、自社施工実績データのシステム入力を進めており、今後は新規トンネル現場への適用を図るとともに、システムの機能向上と操作性を確認し、継続的な改善を図る方針だ。
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