東大発スタートアップのEdgeLab(東京都文京区)は、熟練技術者の退職に伴うノウハウ消失リスクと、生成AIを用いて暗黙知を形式知化する最新戦略を解説したホワイトペーパー『建設業特化ノウハウ伝承白書2026』を公開した。

建設業界は55歳以上の就業者が約36%を占め、29歳以下は約12%にとどまり、熟練技術者の大量退職に伴うノウハウの喪失が喫緊の課題となっている。さらに時間外労働の上限規制に伴い、現場での直接的な指導時間を十分に確保することが難しく、新規高卒者の3年以内離職率が40%を超えるなど時間をかけた育成投資が組織のスキル定着に結びつきにくい状況がある。
同社では、これらの課題における本質的な要因は重要なノウハウが「熟練者の暗黙知」として個人の頭の中に留まっている点にあるが、従来のマニュアル作成やヒアリングといった手法では技術者自身が無意識に行っている「判断ロジック」までを抽出・形式知化することは困難だった。
白書は組織のナレッジ伝承プロジェクトを推進する担当者に向けに、従来のノウハウ抽出手法が抱える構造的な課題を分析し、その解決策として「AIを活用した実践的アプローチ」を体系的に解説している。
従来手法の課題を紐解き、多忙な熟練技術者の業務負担を最小限に抑える「非侵襲性」や、ノウハウの深部まで迫る「深掘り」を両立させるためのポイントを提示しているほか、建設業特有の専門用語や現場の文脈を理解する対話型AIを用い、熟練者から無理なく判断ロジックを抽出し、組織のデータとして蓄積する手法も公開している。
巻頭では、鹿島建設で36年間に渡って設備設計・施工管理や全社の生産性向上・業務DXを主導し、VE(価値工学)の第一人者でもある同社顧問の足立忠郎氏の特別インタビューを収録している。同社は技術継承や現場のDX推進に向けた課題解決の具体的な施策を検討するための指針として活用してほしいとしている。
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