奥村組と奥村機械製作(大阪市)は、2025年に開発した遠隔操作システムの安全性と操作性を向上させる機能改修を行い、茨城県つくば市の奥村組技術研究所から台湾桃園市で稼働中のシールドマシンの遠隔操作を実現した。熟練オペレーターが各現場に常駐する必要がなくなり、将来的には複数現場の兼務も可能となることから、深刻化する熟練オペレーター不足に対応できるとしている。

シールドトンネル工事に用いるシールドマシンは、専門知識と操作方法を熟知したオペレーターが現地で運転操作を行うが、日本と台湾のいずれも技能労働者の高齢化や入職者の減少などにより、熟練オペレーター不足が深刻化している。25年は日本からインターネット経由で台湾に設置されたシールドマシン制御用コンピューターに接続し、シールドマシンの各機構の操作における応答性の検証と通信タイムラグの確認を行った。
今回の改修ではシステム利用者のアカウント認証に二要素認証(MFA)を実装したほか、ログ管理を徹底するなどの運用ルールを策定したことで、これまで以上にセキュアな操作環境を構築した。臨場感を高めたコックピットを導入し、現場の状況をより把握しやすくするとともに、実際の運転席と同様に配置したタッチパネル式操作スイッチと各種モニターを備えることで、シールドマシンの操作経験者であれば、特別な訓練を必要とせず操作できる仕様とした。

奥村組技術研究所に設置したコックピットから、インターネット経由で台湾・桃園市のシールドマシンに接続し、シールド工法の主要機構(掘削、推進、排土)を操作した結果、従来の遠隔操作システムと比較して操作性が向上し、日本と台湾間における通信エラーも問題なく検知できることを確認でき、遠隔地でも現地と遜色なく操作できることで従来のシステムよりも安全性が大幅に向上したという。
今後は遠隔操作中に通信エラーが発生した際、シールドマシンを安全に停止できる機構を実装し、より安全性の高い遠隔操作システムの構築を目指す。さらに1箇所から複数現場を遠隔操作できる機能や、操作スイッチや現地状況を把握するモニター類を仮想空間上に再現し、XRゴーグルを使って場所や設備に依存せず遠隔操作が可能となるシステムの開発も進めていく。
奥村組のプレスリリースはこちら