AI活用した危険予知活動支援アプリ全社導入 
リスク網羅率が9割超の実効性確認

 三菱電機ビルソリューションズ(東京都千代田区)は、昇降機の作業現場における労働災害の未然防止を目的として、AIを活用した「危険予知(KY)活動」の支援アプリケーション「KY-Support」を開発し、全社への導入を始めた。同社にとって初のAI本格運用事例となる。全社導入に先立ち実施したトライアル現場検証では、業務効率を維持しながらAIによる潜在的リスクの網羅率が9割を超える実効性を確認した。

 KY-Supportは、三菱電機が2025年1月に公表したAmazon Web Services(AWS)との戦略的協業にもとづく「生成AIを活用した現場作業支援技術」をベースに構築したアプリケーションで、AWSのAI基盤「Amazon Bedrock」を使い、膨大な作業マニュアルや過去の災害事例を「安全作業への気づきとアドバイス」として活用する。

 具体的には、蓄積された作業データに基づき、AIが作業特有の潜在的なリスクを提示するほか、作業者が作業現場で考える行動目標に対してAIがその場でアドバイスを行う。若年層の知識不足を補い、ベテラン作業者には再確認の機会となり、KY活動の形骸化を防ぐ。

 現場での機動性を重視してスマホ利用に特化し、音声入力の活用やタップ中心の直感的な操作など、片手で操作できるよう最適化している。KY活動の基本手法である「4ラウンド法(現状把握・本質追求・対策樹立・目標設定)」のステップをアプリケーション内で再現でき、画面の案内に沿った操作で、ステップを省略することなく確実に実施し、初心者からベテランまで、標準化した質の高い安全確認を実施できるという。

 利用者へのアンケート調査でもAIのアドバイスが「参考になった」、アプリが「役立つ」、「安全意識が向上した」との回答がいずれも9割を超え、安全性の向上効果が実証された。今後、検証結果と現場からのフィードバックを活かした機能改善とともに、現場特有の情報や他システムとの連携を強化する方針で、現在の用途である昇降機に加え、対象範囲を空調冷熱や他のビル設備にも拡大する計画だ。

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