FUKABORI

オートデスク「AutoCAD2027」 
進化するAI機能

 「よりユーザーに寄り添った機能強化になった」。オートデスクの櫻井健一郎テクニカルサポートスペシャリストは、3月にリリースした汎用CAD『AutoCAD2027』の特徴をそう説明する。内蔵されたAI(人工知能)駆動の「Autodesk Assistant」が進化し、自然言語を理解可能になったことで「図面ファイル内の情報に基づいた答えまできちんと示せる」ようになった。AutoCAD2027の強みに迫った。

「自然言語」で図面情報アシスト

櫻井氏

 AutoCAD2027の新機能は、全6項目中、2項目がAI関連となった。これまでAutodesk Assistantは、質問に対して既存のマニュアルやリンク先を案内するなど、操作関連のサポートを主体とした支援機能だったが、自然言語を理解できることで、図面内の情報まで細かく確認できるようになった。

 依頼された図面作業を行う場合などは、どのようなスタンスで図面が描かれているかを把握する必要がある。設定の細部まで確認するため、設計担当にとっては初動までの手間が業務効率を落とす要因にもなっていた。「図面の中のハッチング表現が見当たらないケースや、システム変数が間違って入力されているような場合などAIが対象の場所を示してくれる。ブロックや文章、寸法などの古い運用が図面内に残っていないかなども把握でき、ちょっとしたトラブルシューティングにも役立つ」と強調する。

Forma上で共同作業を実現

 図面の構成要素であるジオメトリのエラーを修正してくれる「ジオメトリクリーンアップ」機能も、強化された目玉の一つだ。図面上の線分ずれやケアレスミスを自動的に検知して修正内容を提示してくれる役割となり、後工程に影響が出やすい作図上の不具合を未然に防ぐ。微妙なジオメトリのエラーはデザインのワークフローを中断し、生産性にも影響を与えやすいだけに「作業効率を高めるだけでなく、図面精度の向上にもつながる利点の一つ」と付け加える。

 つながる作業環境という視点でも、AutoCAD2027は進化した。建設クラウドプラットフォーム「Autodesk Construction Cloud」(ACC)が「Autodesk Forma」に統合され、同時にデータ連携環境もより強化された。クラウドベースの共通データ環境となる「Forma Data Management」(旧Docs)には、CHECKOUTコマンドが組み込まれたことで共同作業の流れが劇的に変わった。

 AutoCADユーザーは、Formaに保存されている図面に対して複数人による同時作業が可能になった。これまでは図面を別々に開き、どちらかが主担当になり、他の設計担当の作業を反映していた。これからは主担当が他の設計担当の作業を反映する流れになり、複数人での同時作業がより円滑になる。「共同作業の実現は作業効率を大幅に向上させる手段になるだけに、これまでユーザーからの要望も高かった」と説明する。

Plant3Dも機能拡充

リー氏

 25年9月には、専門業種に特化したツールセットをパッケージ化した「AutoCAD Plus」に限定されていたAI活用のスマートブロックなど4機能が、AutoCADの標準機能として使えるようになったことも、特筆すべき動きの一つだ。櫻井氏は「AI活用の幅が広がるAutoCADはますます存在感を増している」と付け加える。

 今回の機能強化で「ツールセットの強化も見逃せないポイントの一つ」と呼び掛けるのは、オートデスクでテクニカルサポートスペシャリストを務めるリー・アン氏だ。特にニーズが高まっている「Plant3D」ツールセットが大幅な機能強化となった。高額な3次元CADが主流のプラント分野だが、AutoCADの手頃感と高い操作性が評価され、最近は導入数を着実に伸ばしているだけに、ユーザーからのPlant3D関連に対する機能強化への要望は増加傾向にある。

 今回はプロジェクト管理や3次元モデリングなど5項目の機能が強化された。中でも立体を斜め上から見下ろしたように描くアイソメ図の比較検証がしやすくなった。これまではアイソメ図シートを一つずつ確認していたが、機能強化によってシートを一つの図面に統合することが可能になり、画面には同じライン番号の全てのアイソメ図シートを一つの図面ファイルとして生成することが実現した。

 「シートが図面内に個別のレイアウトとして表示されるため、レイアウトの切り替えやアイソメ図の詳細な確認が簡単にできるようになり、画面内での比較だけでなく、配管同士のつながりの確認もしやすくなった。Plant3Dはより使い勝手の良いツールとして進化を遂げた」と胸を張る。

AutoCAD2027新機能オンラインセミナー

 両氏は24日午後1時から配信される大塚商会のAutoCAD2027新機能紹介オンラインセミナー「さらに進化した設計ワークフロー」に登壇する。配信時間は40分。セミナーの申し込みは無料。22日午後5時まで受け付けている。申し込みはこちら


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