FUKABORI

大塚商会「建設戦略サミット」 
建設デジタルのトレンドは?

 大塚商会が4月15日から17日の3日間連続で『建設戦略サミット2026春』と題したオンラインイベントを配信する。戦略?サミット?というタイトルに興味が沸いて、イベントを企画したCADプロモーション部建設プロモーション課の石川和弘さんと吉國雄哉さんを訪ねた。実は、このイベントは昨年まで『建設業実践ウェブ講座』というタイトルだったが、今年から「発展的な名称変更を行った」と2人は強調する。どこがどう変わるのか。申し込み状況も含めてFUKABORI(深掘り)してみた。

吉國さん(左)と石川さん

 「実践」と「講座」という言葉を入れ込んだ前タイトルは、ツールの使い方を学ぶトレーニング感が強かった。「まさに、そうしたイメージを変えたかった」とは石川さん。ツール操作に興味のある人だけでなく、デジタルの力で業務をどう変えていくかに興味のある「マネージャークラスの方々にも広く参加してほしい」という思いから「戦略」「サミット」という言葉をタイトルに盛り込んだそうだ。

『未来を先取りするAI×デジタルツール最前線』というサブタイトルからも「デジタルデータを利活用した業務改革のきっかけを提示したい」という2人の思いが伝わってくる。1日目の15日は設計DXセミナー、2日目の16日は施工DXセミナー、そして3日目の17日はAIセミナーと題して全21のセッションをラインアップした。AIによる自動化事例はもちろん、4月からスタートしたBIM確認申請をターゲットにしたセッションなどテーマは多種多様だ。吉國さんは「お陰様で参加申し込みも上々で、4月1日時点で700人を超えた」と手応えをつかんでいる様子。9日の参加締め切りまでには、1000人超えも期待できそうだ。

 セッションもFUKABORIしてみた。

 登壇者のうち、実務者はANALOGの池田暢一郎さん、パシフィックコンサルタンツの田中美帆さん、 計画設計の佐久間義直さんのみだが、選りすぐりの3人だけに、より先進的なデジタルデータ活用のヒントを得ることができそうだ。聴講者にとっては、この3セッションはぜひ登録したいところだろう。

 そのほか19セッションは大塚商会を始め、アドバンスドナレッジ研究所、EARTHBRAIN、ファロージャパン、グラフィソフトジャパン、ザクティ、シムトップス、コンピュータシステム研究所、福井コンピュータ、バル・システム、福井コンピュータアーキテクト、イズミコンサルティング、フローワークス、ESRIジャパンのベンダー系で構成している。

 あえてベンダー各社担当の解説事例を盛りだくさんにしたのも、マルチベンダーとしての大塚商会らしいラインアップであろう。ベンダーセッションのテーマは多種多様だけに、この部分に現在のトレンド感が見え隠れしそうだ。取材を進める中で21セッションのうち、どれが人気なのか、無理を承知で聞いてみると、3日間それぞれのトップ3だけならと教えてくれた。

 1日目の設計DXセミナーでは上位が【A03】GIS活用で差をつける次世代戦略~国土交通省動向とAI・BIM/CIM連携、ArcGIS最新トレンド~(ESRIジャパン)、【A01】内装デザインこそBIMで変わる。提案・基本・実施をシームレスにつなぐ「内装BIM」実践ワークフロー(ANALOG)、【A04】 BIM Dual Power Strategy 2026~VectorworksとRevitの連携が生む、思考を止めない設計フローの構築~(フローワークス)の順という。

 2日目の施工DXセミナーは【B03】 点群の先へ! リアル3Dと施工計画支援で生産性革命(福井コンピュータ)、【B05】 生成AI×現場データ革命 建設DXは「記録」から「判断」へ(シムトップス)、【B04】 BIM/CIM積算×属性情報で実現する業務効率化とコスト最適化(コンピュータシステム研究所)が人気だ。

 3日目のAIセミナーは【C02】 Copilotで業務を変革する! AI時代の必須スキルと最新活用術(大塚商会)、【C01】 AIプログラム開発で切り拓く CAD効率化戦略(計画設計)、【C03】 AIとCADがつなぐ未来の設計基盤 企業が今備えるべきこと ~「会話」で設計が進む時代 AIエージェント×MCPの実力~(大塚商会)が上位にランクインした。

 建設戦略サミットは聴講したいセッションを制限なく申し込めるスタイルであるため、1人当たりの登録セッション数は3日間で平均7、8セッションに達するという。中には全セッションに参加する強者もいるとか。せっかくなので2人のおすすめも聞いてみた。

 石川さんは【C01】 AIプログラム開発で切り拓く CAD効率化戦略(計画設計)と【A03】 GIS活用で差をつける次世代戦略 ~国土交通省動向とAI・BIM/CIM連携、ArcGIS最新トレンド~(ESRIジャパン)の2つと即答する。

 吉國さんは悩みながらも【C04】 AI活用により変化するBIM設計の未来 ~次世代設計手法とBIM確認申請に向けての開発について~(グラフィソフトジャパン)と【A05】 もう迷わない! GLOOBE Architectで実現するBIM図面審査の実践 ~建築DXの新常識 BIM図面審査で変わる設計の未来と経営の合理化~(福井コンピュータアーキテクト)を選んだ。

 総じてAI関連のセッションが人気らしいが、建設デジタル化の流れは多様な広がりを見せている。それぞれの関心に応えてくれそうなラインアップになっているだけに、皆さんもぜひ、探してほしい。講演時間は30分で、気軽に視聴できる。セッションのラインアップは「こちら」から。

 ちなみにBIMedia編集部目線では【B02】 経営を強くする数量積算とデータ連携の考え方 ~経営者が知っておくべき「勝てる積算」の新常識~(バル・システム)と【B04】 BIM/CIM積算×属性情報で実現する業務効率化とコスト最適化(コンピュータシステム研究所)の積算系2セッションが気になるところだ。

 設計や施工の最前線では、業務効率化の切り口に自動化ニーズが高まりを見せ、アプリケーションの機能強化ではAI 導入が当然のように組み込まれ始めた。サミットは英語訳で「山の頂上」を意味する。建設デジタルの最先端に出会う場になりそうだ。

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