安藤ハザマはリバネス、ヒューマノーム研究所、ソーラーテックと共同開発したAIとRPA(Robotic Process Automation)を活用した構造設計支援システム「BROWNIE」を、構造設計部門の標準システムに位置付けた。経験によらず熟練の構造設計者と同等の成果を導くことができることから、構造設計の初期検討段階から導入し、既にシステムが適用可能な案件の90%で採用済み。基本設計の初期検討などの作業時間を平均約50%削減する効果を得ている。

建築の構造設計では、一貫構造計算プログラムで柱部材や梁部材の大きさなどを決めるが、従来の設計方法では構造計算プログラム上で部材情報を手入力で変更し、トライアンドエラーを繰り返すため、多大な時間がかかっていた。成果品の完成度も担当者の知識や経験による個人の力量に左右されることもあった。
安藤ハザマは短期間で精度の良い構造計算結果が得られるRPAを用いた自動計算システムを構築し、これをベースに計算時間と施工性の問題を解決する「AIグルーピングシステム」を開発済み。RPAシステムと併用することで構造設計の基本設計業務の自動化に結びつけた。

既に柱・梁の仮定断面の自動算出や、初期設計段階での構造躯体の概算見積資料の作成支援に加え、複数ケースの比較検討による最適な構造計画の選定支援の機能を確立しており、作業時間の大幅な削減と品質の均質化を実現している。
システムは2019年に開発に着手し、2022年の試運用開始以降、構造設計者の意見を反映しつつ改良を重ねてきた。2023年にS造ラーメン架構用システムの本格運用を進め、他の構造・架構についても展開中。社内利用者率は80%に到達し、システムが適用可能な全案件の90%で採用され、多数の建築プロジェクトで成果を上げている。
今後は、さらなる自動化や高速化を図り、より効率的な構造設計ツールとしての進化を目指す。若手技術者の教育ツールとしての活用も進め、構造設計分野における技術伝承と人材育成にも展開する。
