デジタル庁「法令×デジタル」ハッカソン

優秀賞に「チームbSJ」 
BIMデータ審査を見据え協創プラットフォーム

 デジタル庁が主催した法令とデジタルの領域を掛け合わせたサービス開発の提案を競い合う「法令×デジタル」ハッカソンで、buildingSMART Japan(bSJ)のメンバー7人で構成したチームが優秀賞に輝いた。2029年春から始まる確認申請のBIMデータ審査をモチーフにした「審査要件モデル協創プラットフォーム」による提案は、実現性の高さと他の分野にも横展開できる汎用性が高い評価を得た。

 チームbSJは、安井謙介(日建設計)、青井俊洋(ティーズラボラトリー)、楠田雄亮(大林組)、大門浩之(建築行政情報センター)、松原昌幹(AMDlab)、松本ちなつ(同)ら7人で構成。ハッカソンは今回で3回目の開催となり、チームbSJはそのすべてに参加し、見事に優秀賞を獲得した。

 表彰式であいさつした安井氏は「建設業界では働き方改革と生産性向上という大きな課題があり、その実現に向けてデジタル化の流れが広がっている。われわれチームは第1回ハッカソンから、このテーマに取り組んできた。2029年から始まるBIMデータ審査に向けて発信していきたいという思いで取り組んできた」と喜びを口にした。

 審査員を務めた児島綜合法律事務所代表弁護士で早稻田大学法科大学院客員教授の児島幸良氏は「わが国における審査を効率化するとともに、民間も巻き込みながら伸びていく広がりと時間的な発展を織り込んでいる構想であり、ぜひとも他分野にも横展開してほしい」と評価した。同庁のハッカソンは法令データを活用し、生成AIと組合せた法令DXサービスの開発を競うもので、民間エンジニアを中心に29チーム112人が参加した。

プレゼンする安井氏

 チームbSJは、1回目の2023年度に法令APIを活用した建築確認申請の自動審査システム、24年度に設計者の法適合チェックを核とした設計支援AIエージェントジャービス、そして25年度は審査要件モデル協創プラットフォームを発表した。最終プレゼンテーションで壇上に立った安井氏は「法令データの価値を法制DXから申請審査DX、そして分野横断へ」と呼び掛けた。

 以下に提案のポイントをまとめた。

 BIM確認申請では設計者がBIMソフトで作成した設計情報をIFCデータで出力・提出し、審査者が審査ソフトで確認する流れになる。既にbSJではハッカソン以前から、法規構造を可視化する審査要件図の手引書を整備してきた。PowerPointの手作業が中心となり、分解・整合・図化まで含めると法文の1項あたり約20時間かかるのが課題だった。

 その審査要件図作成の手引きを元に、データ交換用テキストフォーマットであるJSONスキーマを用いて、適合審査機能構造の条文754項の法文から適合審査の機能構造と適合判定フローを一括で自動作成するシステムを構築し、2020倍の高速作業を実現した。

 プラットフォームでは、条文754項を関係者で同時並行分析が可能で、法文そのものでなく、法文を可視化した適合審査機能構造と適合フロー図に各専門家がコメントできる。効果としては法規構造と法適合判断を可視化し、審査プログラムの要件定義を前へ進め、関係者の並列レビューと版管理で実装と検証を加速し、JSON+テストケース公開で民間実装を誘引して、設計AIエージェントへつなげることが可能になるという。

 BIMデータ審査プログラム以外の申請審査でも採用できる開発スキームであり、法令を機能構造と判定フローを機械可読性のある形として可視化するJSONスキーマを各分野の状況に合わせて修正することで他分野や他言語での活用も可能になる。具体的には道路交通(道路交通法)、社会保障(健康保険法)、税(所得税法)に横展開できるとした。

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