関西電力送配電と京都市が取り組んだ伏見稲荷周辺地域の電力アセットを用いた都市空間データ取得と分析業務に、62Complex(福岡市)が提供するLiDARセンサーとAIを活用したリアルタイム分析プラットフォーム「MATIENCE(マチエンス)」が活用され、交通事故のリスクが高い場所と時間帯を定量的に把握した。

この試みは、観光客の集中により伏見稲荷周辺地域で課題となっている「歩車錯綜(歩行者と車が入り乱れる状態)」に対し、関西電力送配電が保有する電柱などの電力アセットを活用し、従来ではわからなかった道路状況の可視化やEBPM(証拠に基づく政策立案)検討を支援するもの。LiDARセンサーを電柱などに設置して歩行者や自動車、バイクなどのデータを取得し、MATIENCEを使ってリアルタイムに分析した。
稲荷橋西側の飲食店が集積するエリアでは、特定の時間帯に歩行者の滞留が発生し、これに伴い歩行者の動線が車道側へ膨らむ状況が継続的に観測された。MATIENCEの特徴である3D空間解析技術によって歩行者動線の膨らみと車両の通行ラインが空間的・時間的に重なる局面が繰り返し発生していることが明らかとなり、交通事故のリスクが高い状況を把握した。特に双方向からの車両流入と歩行者のピークタイムが重なる時間帯に混雑が最大化しており、解決に向けた検討の必要性も明確化した。

関西電力送配電が保有する電柱などの電力アセットは、生活圏のいたる所に、一定間隔で、電源付きで存在しているという強みがあり、62Complexはが夜間・荒天時でも損なわれない高精度なデータ計測技術を掛け合わせることで、全国の観光地が抱える「混雑対策」と「道路の安全確保」の可能性を検討していくとしている。
