NTTドコモビジネスら4社

次世代ネットワークIOWN APN活用 
新たなオフィスモデル検証

 NTTドコモビジネス、NTTドコモソリューションズ、NTTアーバンソリューションズ、NTTファシリティーズの4社は、NTTが提供する通信の端から端まで光技術を活用する次世代ネットワーク基盤「IOWN APN」(オールフォトニクス・ネットワーク)を活用し、高度なICT機器をオフィス外に集約する新たなオフィスモデルを検証した。オフィス内の消費電力や設置スペースなどの設備要件を緩和でき、省電力化やオフィススペースの有効活用が実現できる評価を得たことから、オフィスの立地や環境に対する柔軟な選択肢を提供し、従来の制約にとらわれない新たなオフィスモデルの実現を目指す。

 この検証は、2025年10月から11月に実施したもので、ゲーム制作、映像制作、製造業、人材、建設・設計、内装、娯楽施設運営、不動産から計10社が協力した。これまでネットワーク帯域や遅延、応答性などの制約条件によりオフィス内に設置せざるを得なかったGPUマシンなどの高度なICT機器をオフィス外へ集約する取り組みとなり、映像品質、反応速度、業務への活用可能性、オフィス環境への影響、人材獲得への寄与といった観点から多角的な評価を実施した。

 近年、高度な計算機資源を活用した業務効率化や生産性向上に向けた取り組みがさまざまな分野で進展している。建築分野のBIM活用を始めゲーム・映像分野での高度な映像処理、製造業におけるAIを活用した素材開発など、計算能力の確保が企業競争力を左右する重要な要素となっている。

 しかし、こうした高度なICT機器をオフィス内に設置・運用するには、消費電力や発熱対策、機器重量、設置スペースの確保など、オフィスに求められる設備条件は年々厳しさを増している。オフィス回帰の動きが進む中、ワーカーのパフォーマンス最大化、円滑なコミュニケーションの促進、人材獲得のため、ワーカーへの高度なICT環境の提供やオフィス環境の整備がますます重要となっている。

 高度なICT機器をデータセンターに集約し、オフィスから遠隔利用する構成はエネルギー効率やスペース活用の観点から有効な選択肢と考えられるが、従来のネットワーク環境では帯域や遅延制約によって、大規模なデータを扱う業務や高速な応答性が必要な業務では求められる要件を十分に満たせないことが課題となっていた。

 検証では、NTTドコモソリューションズの都内データセンター、 NTTアーバンソリューションズの秋葉原UDX(東京都千代田区)の「未来のオフィス 4×SCENE」、NTTファシリティーズの田町グランパーク(東京都港区)の共創空間「FL@T」をIOWN APNで接続した。データセンター側には高度なICT機器としてGPUマシンを設置し、BIM環境などを構築し、オフィス側にはModel-Bを用いて高精細映像を非圧縮で伝送するIOWN APNの100Gbps回線、画面転送を用いて高精細映像を圧縮して伝送するIOWN APN の10Gbps回線、比較用に用意した一般的なインターネット回線の3つの構成を構築した。

 検証協力企業10社には、動画視聴やデータ転送、BIMソフトやPCゲーム操作の体感に加え、オフィスにおけるIOWN APNの有用性を検証してもらい、遠隔作業の操作性について「画質」「映像の滑らかさ」「データ転送速度」などの観点からアンケートを実施した。IOWN APNの100Gbpsと10Gbpsのいずれでも好評価の回答が90%以上となり、一定の効果を得たという。建築分野の協力企業からは「10Gbpsの安定した品質や高いレスポンス性能と、データセンター側で高性能なGPUマシンを用いることにより、データの非常に大きなBIM作業での待機時間の短縮や生産性向上も期待できる」との意見があった。

 4社は、本検証やOPEN HUBで得られた成果を踏まえ、オフィスにおけるIOWN APN活用、NTTが掲げる「光の街」づくりに向けた技術面、ビジネス面での検討を今後も継続していく。将来的な光電融合技術などの活用を含めた圧倒的な超・低消費電力化の実現を目指し、今回の成果を活用していく方針だ。

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