清水建設が大阪市内で施工中の超高層ビル現場「パークタワー大阪堂島浜」で、困難とされていた躯体工事段階における衛星インターネットサービス「スターリンク」の活用が実現した。古野電気(兵庫県西宮市)が提供する建設現場向けWi-Fiシステム「ゼンゲンバLANシリーズ」と「スターリンク屋外用キット」の組み合わせによって実現し、新たなネットワーク構築手法の有効性を確認した格好だ。

スターリンクは低軌道衛星による高速・低遅延の衛星インターネットサービスで、衛星通信の特性上、ビル現場の屋上にアンテナを設置する運用が一般的だが、躯体工事が進むにつれてアンテナをより高い階へ逐次移設しなければならず、運用負荷が課題となっていた。
同現場は清水建設の設計・施工で、高さ161mの超高層マンション。アンテナを特定階のベランダに固定し、そこから建屋内へネットワーク回線を引き込む構造を採用したことより、躯体工事段階で課題となっていたアンテナ移設が不要となり、手間のかからない安定した運用が可能になった。

古野電気が提供したスターリンク屋外用キットはStarlink Businessの標準ルーターやイーサネットアダプタなどの機器一式を防水・防塵仕様の筐体に収めた屋外対応モデルとなる。屋外利用が認められていない5.2GHz/5.3GHz帯のWi-Fiを停波することで、電波法に適合した安全な運用を実現している。アンテナは単管パイプへ直接固定できる構造を採用しているため、建設現場の足場や仮設設備にも柔軟に設置できる。
この実績を生かして携帯電波が届きにくい高層建築現場向けネットワーク構築の取り組みを強化する方針で、スターリンクを活用した安定した通信環境の提供に加え、現場業務を支える各種ICTデバイスとの組み合わせによって、建設・防災領域におけるDX推進を加速していくという。
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