TransRecog

書き込めないデータ図面の煩わしさ解消へ 
三原市でAxelaNoteの実証実験

 「書き込みながら確認できない」というデータ図面の煩わしさを解消する試みが、広島県三原市で動き出した。PDFを改変せず注記をレイヤー管理できる図面チェック支援ツール「AxelaNote」を販売するTransRecog(東京都港区)が広島県のオープンアクセラレーションプログラムに採択され、取り組みが始まった。同社は図面確認のやりとりや手戻りの削減を通じて、図面一式のチェック時間を30%以上削減することを目標に、効果測定に挑む。

 自治体業務のデジタル化が進展する中、建築や土木の図面についてもデータ化した図面で確認する運用が一般化している。決裁プロセスでは図面を閲覧して確認することが中心となり、紙で確認していた頃のように、要点や懸念点をその場で書き込みながら整理することが難しいケースが少なくないが、データ図面では書き込みながら確認できない状態となり、確認観点の整理や指摘の伝達を難しくし、再確認や修正依頼の往復が増える要因にもなっている。

 三原市ではデータ図面での運用を維持しつつ、紙媒体の際にできていた書き込みをデジタル上で自然に再現し、決裁時の確認負担を減らせしたいという課題解決の手段として、AxelaNoteによる実証実験が動き出した。市が現在実施しているデータ化した建築・土木図面でのチェック運用を前提にデータ図面では書き込みができない煩わしさを解消できるか否かを検証する。

 具体的にはPDFなどのデータ図面を対象に、AxelaNoteを活用して、朱書き、付箋、スタンプなどの注記を重ねながら確認を進める運用を行い、決裁・承認プロセスとの親和性を確認する。AxelaNoteはPDF原本を改変せず、注記を原本とは別の「注記レイヤー」として扱えるため、原本データの管理方針を維持したまま、紙のように書き込みながらの確認が可能になる。液晶タブレットやタブレットPCなどを使った手書き入力の操作性も含め、現場で無理なく定着するかを確認する計画だ。

 実施期間は2026年3月まで。図面の差替えが発生した場合にも、注記レイヤーの再適用(再重畳)機能などを使って、差替えに伴う確認の手戻りや、版管理に関わる負担を減らせるかも検証する。指摘の一覧化や履歴確認など、追跡できるチェックが意思決定の過程で有効に機能するかについても確認する方針だ。

 同社は実証開始前に現状のチェック時間を把握し、実証期間中の実績と比較することで、削減効果を定量的に評価し、使いやすさや定着度合いについてもアンケートなどで確認するという。三原市での本格導入を目指すとともに、同様の課題を抱える全国の自治体や建設現場への展開も図る方針だ。

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