国土交通省は建築確認の申請業務で、BIMデータを活用できるように、2026年春からBIM図面審査、29年春からはBIMデータ審査に取り組む。動き出すBIM確認申請によって「これまで以上にBIMデータ活用が促進され、当社が以前より展開している概算や詳細積算におけるBIM活用の取り組みも後押しされるだろう」と分析するのは日積サーベイの高橋肇宏システム開発事業部BIMソリューション部リーダーだ。

同社は、設計初期段階の概算でのBIM活用に向けアドインソフト『COST-CLIP(コストクリップ)』、実施設計段階以降の詳細積算でのBIM活用に向け積算ソフト『HEΛIOΣ(ヘリオス)』に加え、BIMソフトとダイレクト連携するためのアドインソフト『Helios Link(ヘリオスリンク)』も提供している。
22年にリリースしたBIMアドイン概算システム『COST―CLIP』は、グラフィソフトのBIMソフト「Archicad」やオートデスクの「Revit」の上で動作し、設計初期段階の概算コストが算出できる。これにより設計プランを変更した際にも、リアルタイムに建設工事全体の概算コストを早期に把握し、検討や分析が容易となる。

一方、15年にリリースした『Helios Link』は、建築積算システム『HEΛIOΣ』のデータ形式に、BIMモデルのデータを直接変換するための、BIMソフト向けの「BIM連携機能」となる。これにより詳細積算においてもBIMモデルを有効活用することができ、積算業務を効率化できる。「実際、当社でもBIMを活用した積算業務を行っており、その効果を実感している」と話す。
COST―CLIPやHelios Linkはリリース以降、多くのユーザーからの要望を反映しながら、毎年バージョンアップを行っており、今年5月に「Helios Link2025」、11月に「COST―CLIP Ver4・5」の最新版をリリースした。いずれも新機能として「BIMモデリング状況の事前チェック支援機能」を追加した。この機能はBIMモデルを概算や詳細積算に活用する前に、設計者と積算者との間でBIMモデリング状況の共通認識を持ちやすくし、双方の合意形成を促す。
導入した背景には、23年に国土交通省による「BIM連携積算(官庁営繕事業におけるBIMデータを活用した積算業務)」の試行開始が大きく関係している。高橋氏は「これに伴い、概算や詳細積算でのBIM活用に関するお問い合わせが増え、ユーザー支援を行う中で、設計者と積算者との合意形成が、BIM活用にて最も重要である一方で、それを行う“場”が無いことを実感した」と説明する。
同社では、26年春からのBIM図面審査をきっかけに「概算や詳細積算でのBIM活用に取り組む方々にも合意形成の場として有効活用してもらえれば」と考えている。さらに設計者が入力したBIMモデルを活用するための提案だけではなく、積算者が入力した「積算データ」を有効活用するための機能開発、提供に取り組んでいる。12月にリリースする最新版『HEΛIOΣ2026』の追加対応も含め、主に4つの「積算データ」の有効活用が可能となっており、施工図作成、見積もり徴収業務、CO2排出量算定、公共工事の内訳書作成を効率化できる。

このほかHEΛIOΣ2026では構造・仕上げ積算機能の改良に加え、高速化や明細比較機能の新規追加など20項目超の機能を強化する。「積算業務にとどまらず、そのデータの活用価値にも注目してもらえれば」と呼び掛ける高橋氏は「今後も当社はCOST―CLIP、HEΛIOΣ、Helios Linkを通して、概算や積算でのBIM活用に加え、『積算データ』の有効活用により、設計者や積算者に限らず、発注者や施工者がより業務効率化できるよう、継続して機能開発、提供に取り組んでいく」と強調する。
この記事は建設通信新聞からの転載です