Catenda

openBIM浸透で導入の流れ拡大 
日本の成功確信しアジア進出へ

 「日本での売り上げ規模は5年後に10倍の規模になるだろう」。そう手応えをつかむのは、欧州を中心に世界各国の建設プロジェクトで導入が広がるクラウドプラットフォーム『Catenda Hub』を提供するCatendaのグドムンドソン・アイナルCEOだ。日本拠点となるCatenda Japanの設立1周年に合わせ、エミル・クリストッファ・リーCROとともに来日し、精力的に顧客や販売パートナーと意見交換した。

左からリーCRO、アイナルCEO、ベルCSO

 日本国内のCatenda Hub導入数は、設立から1年で建設プロジェクト数が370件を超え、プラットフォームにアクセスしたユーザー数は6000人規模に達した。創業者の一人で日本拠点の代表も務めるホーバル・ベルCSO(最高戦略責任者)は「世界全体では常時1万プロジェクトが動いており、海外に比べれば日本の導入数はまだ少ないが、openBIMの考え方は着実に浸透しつつあり、CDE(共通データ環境)構築の流れが急速に進展してきた」と強調する。

 先導する大手ゼネコンに加え、中堅ゼネコンでも円滑なBIMデータ活用に向け、openBIM基準に準拠したCatenda Hubの本格運用に乗り出す動きが広がっている。導入拡大の背景にはプロジェクト関係者が日頃使う業務ツールで密な情報共有が実現できる使い勝手の良さがある。リーCROは「BIM導入の進展に合わせてCDEを構築する企業の多くはCatenda Hubを使う価値を見いだしてくれている」と付け加える。

 Catenda Hubの利点について、アイナルCEOは「誰もがオープンに使える『The Open Way』が最大の魅力であり、操作がシンプルで導入がしやすく、独自のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)による拡張性も強み」と語る。日本と同様に、海外の建設会社も「省人化と生産性向上を重点課題に位置付けており、BIMデータを利活用する基盤としてCDEを構築している」と説明する。

 BIM標準化を推し進める欧州では、中間ファイル形式のIFCによるデータ連携によってつながり合うopenBIMが浸透している。こうした流れは日本にも着実に進展している。openBIMを志向するのは企業だけでない。最近では国土交通省ら6者構成の産官学チームが取り組むBIM/CIM積算が、国際組織ビルディング・スマート・インターナショナル(bSI)主催のopenBIMアワード2025で、インフラ設計部門の最優秀賞を獲得した。

 ベルCEOは「国交省が土木分野でopenBIMに準拠した仕組みを取り入れていくことは当社にとっても追い風の動き」とし、26年春からスタートするBIM確認申請についても「IFCデータを基盤に置く流れとなり、openBIMの考え方が定着するきっかけにもなる」と続ける。特に29年春からはBIMデータ審査に移行することからIFCデータ連携の流れがさらに広がりを見せ、「日本におけるopenBIMの時代が鮮明になる」と確信している。

 既に海外では建設会社や設計事務所などの受注者だけでなく、事業者や発注者が建設プロジェクトの進捗管理や完成後の建物維持管理などにCatenda Hubを導入する動きが相次いでいる。オランダ最大のアムステルダム・スキポール空港ではCatenda Hubをデザインコーディネーションのプラットフォームとして全面採用し、常に拡張工事が進行する空港施設の状況をリアルタイムに管理する。フランスではパリ地下鉄、スイスでは鉄道会社でも同様にデザインコーディネーションとしてCatenda Hubを導入している。

 アイナルCEOはプロジェクト単位の契約となり、アクセス人数に関わらず費用は変わらないことから「日本のインフラ事業者にもぜひ活用してほしい」と訴える。日本国内の建設プロジェクトは大規模化し、しかも協力会社など関係者が多岐にわたる。「まさにCatenda Hubは日本の建設プロジェクトに貢献できるツールだ。今回の来日で日本での成功を確信し、アジア進出の手応えもつかむことができた」と力を込める。

この記事は建設通信新聞からの転載です

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